みりんといったら調味料のイメージがつよいのではないでしょうか?
もちろん、今ではみりんといったら調味料、と考えるのが普通です。
しかし江戸時代には「甘いお酒」として飲まれていました。
江戸時代の女性に好まれていたみりんは、今でも飲めるのでしょうか?
飲めるとするならば、どのみりんがおいしいのでしょうか?
そんな疑問を解説していきます。
今でもみりんは飲めるの?
令和になった今でも、みりんは飲めます。
しかしどんなものでもいいわけではありません。これは後ほど説明しますね。
江戸時代のみりんは、滋養強壮剤としての役割がありました。
女性にウケがいい甘いお酒としても流通していたことから、今でいうところの「カクテル」や「リキュール」といった感じだったのかもしれません。
飲用目的だったみりんは昭和初期に入って、調味料としての役割が大半になってきました。
調味料ということから、従来の原料ではないものが混ぜたものも売られています。
酒税法にかからないようにするために工夫されて、今ではさまざまなメーカーからいろいろな種類のみりんが販売されていますよね。
とはいえ飲むのであれば、原料や作り方が気になるところ。
本来、みりんの原料はとてもシンプルなのです。
みりんの原料は「もち米」「焼酎」「米こうじ」
本物のみりんは「もち米」と「焼酎」と「米こうじ」の3つから出来ています。
しかしスーパーで売られているみりんの成分表示を見てみてください。この3つ以外に何か入っていませんか?
商品によっては「食塩」「ぶとう糖」といった表示があるかもしれません。これらは「みりん風調味料」や「醸造調味料」などと呼ばれるもので、本来のみりんとは違うものです。
また、商品によってはもち米も外国産や日本産とさまざま。このあたりのこだわりが、値段にも反映されています。
みりんの作り方
本みりんの材料は
- もち米
- 米こうじ
- 焼酎(または醸造アルコール)
です。作り方を簡単に載せますね。
- もち米を蒸します
- 米こうじと焼酎を加え、「糖化」させます
- 踏むこみといって、かき回すことで雑菌の繁殖を抑え糖化を促します
- 熟成期間を経て、濾します
- 火入れをしてから瓶詰めして完成です
原料も手に入れられそうだし、自分でもできそう!
いえいえ、酒造法の違反になるので自家製のみりんは作れませんよ!
また、本みりんは熟成期間は商品によってさまざま。基本的には40~60日あたりですが、中には数年といったものも。
熟成期間が長ければその分、色も味わいも濃くなります。
飲めるみりんは「本みりん」!それ以外はおすすめしません
飲むのであれば「本みりん」がベストです。
みりんには本みりんのほかに「発酵調味料」と「みりん風調味料」と呼ばれるものがあります。
「発酵調味料」はみりんと同じようにアルコール度数が14%くらいありますが、塩を加えて飲めなくしたものです。
「みりん風調味料」は水あめやブドウ糖にうま味などを加えて、みりんのような味にしたもの。
どちらも飲む目的ではないので「お酒」ではありません。
この2つは本来のみりんとは味が全く異なり、みりん風調味料に至っては本来のみりんの製造方法からも、かけ離れています。
飲むことが目的であれば、「本みりん」にしましょう。
「発酵調味料」「みりん風調味料」が飲めないわけではありませんが、はっきり言って味はイマイチです。
せっかく飲むなら、おいしいみりんで味わってほしいですね。本みりんの味は、砂糖とは違ったコクがあって奥行のある甘さです。
みりんのアルコール度数や糖質は?
みりんのアルコール度数は14度くらいです。日本酒とあまり変わりませんね。
糖質は100gあたり43.2gあります。
日本酒は約4g、ごはんは35.6gですから、みりんの糖質はかなり高いといえます。
100g分のみりんをグイっと飲むことはないかと思いますが、糖質制限をされている人は気をつけたほうがよさそうですね。
おいしい本物の本みりんはコレ
九重味醂 本みりん
わが家も同じみりんを使っています。料理にはもちろん、飲んでもおいしいみりんです。
おいしい理由は、コクがあるのに、のどに甘さが残らないこと。
価格も手ごろな本格みりんなので、おすすめです。スーパーなどでも見かけますよ。
先日はこれで「柳蔭」という江戸時代からあるみりんのカクテルを作りました。
角谷文治郎商店 三州三河みりん
2年の熟成期間の末にできるみりんです。飲んでもよし、調理してもよしの三河みりんは、みりんの発祥地三河で作られています。
本物の味を一度試してみてはどうでしょうか?
みりんのおいしい飲み方3つ紹介
炭酸で割ってキリっと
みりんを炭酸で割って飲む方法です。みりんの甘さが和らいで、スッキリ飲めますよ。
甘みのあるチューハイのような印象です。
レモン入りの炭酸で割っても香りの良さが楽しめて、おいしく飲めます。
みりんの甘みは砂糖の甘みと違って穏やかなので、極端に甘いお酒が苦手な人でも受け入れられるはずですよ。
ヨーグルトドリンクで割って爽やかに
酸味のあるヨーグルトドリンクと甘いみりんがベストマッチ。
トロっとしたカクテルで口当たりがとてもやさしいです。
ヨーグルトが、みりんのアルコールから胃を守ってくれそうですね。
飲み口が柔らかくなるので油断してしまいますが、みりんにはアルコールが含まれています。
アルコールを飛ばさないでそのまま飲むことは、妊娠中や子どもは避けてくださいね。
みりんのカクテルといえば柳蔭(やなぎかげ)
みりんを米焼酎で割って飲む方法です。なんと江戸時代から続く飲み方なんですよ。
焼酎で割るのでアルコール感は強くなりますが、焼酎のキレの良さとみりんがよく合います。
作り方は以下を参考にしてくださいね。
みりんに何かを混ぜて数日置いておくのは、酒造法の違反になる可能性があります。
みりんを使って梅酒を作りたい、と考える人もいるかもしれませんがNGです。
混ぜたそばから個人で飲む分には大丈夫ですが、混ぜたものを数日取っておくと酒税法に抵触する可能性があるので気をつけてくださいね。
本みりんは20歳になってから
本みりんは「お酒」なので未成年は飲めません。お酒は20歳になってから。
家にあるから、といって飲むのはダメですよ。
かといって調味料扱いのみりんを飲むのは、味の観点からもおすすめできません。
本みりんは20歳になってから楽しんでくださいね。
運転前にみりんを飲むと、飲酒運転になります。アルコールを飛ばさないでみりんを飲むときは気をつけましょう!
まとめ
今回はみりんの豆知識や、おいしく飲む方法を紹介しました。
みりんを飲むなんて考えてもみなかった、という人がほとんどだと思います。
お米の甘さが効いてうま味が強いので、甘いお酒が好きな人にはうってつけですよ。普段のお酒のラインアップに、みりんのカクテルもぜひ混ぜてくださいね。