日本酒というと「熱燗」や「あぶったイカ」といった、冬のイメージが強いですよね。
「夏といえばビールでしょ!」確かに、のど越しがスッキリしたビールは暑い時期にピッタリです。
ビールが一番おいしい季節の夏は、日本酒の売り上げが落ちるとき。
日本酒って夏に向いていないのでは?
いいえ、飲み方を変えればスッキリしたのど越しを日本酒でも楽しむことができますよ。
夏に飲みたい、涼やかな日本酒の飲み方を紹介します。
夏酒に決まった定義はない
夏酒と呼ばれる日本酒には「純米酒」や「大吟醸」のように決まった定義はありません。
それぞれの酒蔵が夏に飲むとおいしいお酒を、「夏酒」と呼んで売り出したものです。
需要が落ちる時期に、あえて「夏酒」と呼んで「特別感」を出したものなんですね。
「セールスプロモーション」のコピーといえばいいでしょうか。
ラベルも涼やかなものが多く、なかにはポップな絵柄のものもあります。
ポップな「ジャケ買い」が楽しめるのも、夏酒ならではですね。
か、かわいい!!
夏酒として売り出しているものは、季節もののため売り切れたら来年まで待つ可能性もありますよ。
欲しくなったらお早めに!
夏に飲むとおいしいと感じるお酒は
・のど越しがいい
・さっぱりしている
・冷やしてもうま味がある
・炭酸が入っている
人によっておいしさは変わりますが、このあたりが夏に飲みたいお酒ではないでしょうか。
どんな種類が夏酒にむいているの?
夏に飲むとおいしい日本酒は、1つではありません。
上の章でのせた条件に合う日本酒を5つ紹介しますので、参考にしてくださいね。
フレッシュな「生酒」
日本酒を作る際に「火入れ」をしていないものです。
生酒は1度も火入れをしていない分、フレッシュな味わいが特徴です。
フルーティで口当たりがやさしいため、日本酒の初心者でも飲みやすい日本酒ですね。
発酵を止めていないので、飲むたびに味わいが変わるのも特徴の一つです。
冷蔵庫での保管が原則です。
シュワシュワが気持ちいい!炭酸が入った「発泡タイプ」
のど越しがいい条件といえば、炭酸が入ったものですよね。
ビールのようにシュワシュワした炭酸が含まれているのは、瓶内で二次発酵させたものか、あとから炭酸ガスを入れたタイプのものが多いです。
炭酸が含まれているのはにごり酒のようなタイプに多いのですが、澱(おり)が入っているのでドロッとしています。
さらりとしたのど越しを優先したいので、澱(おり)が入っていない種類の方が合っていますね。
果実味あふれる白ワインのような「酸味があるタイプ」
白ワインのような酸味があるタイプは、キリっと冷やすとサッパリ飲めます。
日本酒の原料に果実が入っていることはありませんが、発酵すると果実の香りがするものもあるのですよ。
マスカットのような香りがする日本酒であれば、昼間でもさらりと飲めますね。
ピクニックで飲んでみたい!
濃い味わいが特徴の「原酒」
アルコール度数の高いものが多い原酒もサラッと飲めるの?と思いますよね。
原酒を夏らしい飲み方で楽しむ方法があります。
それは、「ロックや炭酸、水で割って飲む」という方法です。
日本酒に氷を入れて飲むなんて以前は考えられなかったかもしれませんが、今ではそれもおいしく飲む方法の一つ。
氷や水といった割材を使うことで、口当たりが滑らかになるのです。
割って飲むことでアルコールが和らぎますが、濃い味の原酒であれば日本酒ならではの風味も残ったままで楽しめます。
せっかく割って飲むなら、水にもこだわるといいですよ。
雑味のない水は日本酒の良さを引き出してくれるよ!!
シャリシャリした日本酒の新たな可能性「みぞれ酒」
日本酒をシャーベット状にしてしまう方法です。
かき氷のようにして食べられる、大人のデザートができあがります。
紙パックなどに入っている日本酒を、冷凍庫に90分ほど入れておくと、シャーベット状になりますよ。
アルコールが入っているため、氷のようにカチカチになることはありません。
甘さがないので、カキ氷用のシロップをかけたり蜜をかけるのもいいですね。
「過冷却」という状態にして、グラスに注ぐときに液体がシャーベット状に変化させることもできます。
難易度は高いですが、パーティなどで披露できるとかなり盛り上がりますよ!
マジックショーみたい!
みぞれ酒に合う日本酒はコレ
醸造アルコールが入っていない、「純米吟醸酒」がおすすめです。
醸造アルコールが入っていると、凍らせたときに日本酒の味わいが変わってしまうから。
凍らせて味が落ちてしまったら残念ですよね。
表示ラベルを確認してから凍らせましょう。
みぞれ酒を前提として作られたものもあります。
最初はそういったお酒を使うのもいいですね。
下戸でもおいしく飲める方法は?
アルコールが苦手な下戸でもおいしく飲める夏酒は、「割って飲む」のが一番おすすめです。
日本酒の風味をじっくり味わいたければ、原酒を割るのがおすすめですが、下戸ではそれもためらわれるところ。
自分が飲める範囲に応じて、アルコール度数の低い日本酒を水や氷で割って飲むと、飲みやすいですよ。
低アルコール日本酒というのも存在します。
そういった日本酒をよく冷やして飲むと、下戸でも夏酒を楽しめますね。
まとめ
夏酒は「夏に飲むとおいしい日本酒」であることがわかりました。日本酒というと冬のイメージが強いですが、さっぱりとしたものを選ぶことでビールに負けないスッキリさを味わえますよ。
凍らせて食べるのも風情があっていいですね。暑いときには子どもはスイカ、大人はみぞれ酒。日本の夏の定番になるといいですね。