「熱燗って日本酒を温めたものでしょ?」もちろん、その通りです。
でも温める温度によって「熱燗」以外の呼び名があることをご存じですか?
熱燗と一口に言っても、温度が決まっているのですよ。
これは温かくした日本酒に限らず、冷たいものも温度によって呼び名が変わります。
今回は日本酒の温度による呼び名の違いと、お酒が苦手な人の入り口として最適な温度を解説します。
日本酒の温度の違いで呼び名が変わる
一般的に知られる「熱燗」や「冷や」といった呼び名以外に、温度によって細かく呼び名が変わります。
表にしてみたので見てみましょう。
ずいぶん種類がありますね。
熱燗が温かくしたお酒というのはわかりますが、いわゆる「冷や」というのは常温に近い温度で飲むお酒であることは、知らない人も多いはずです。
昔は冷蔵庫がなかったために、「温かいか」「そうでないか」で「温」と「冷」を分けていました。
今でもその名残があるということですね。
冷蔵庫に入れて冷やしたものは、「冷酒」と呼んで「冷や」と区別します。
熱燗ってただ温めればいい、というわけではないのですね。
なかなか奥が深い、日本酒の温度の世界です。
それにしても「人肌」「花冷え」「雪冷え」なんて、風流ですよね。日本酒のロマンを感じます。
お酒が苦手な人はどの温度で飲むのがいいの?
香りが引き締まった「冷酒」がおすすめです。
鼻に抜けるような濃厚な米の香りより、さりげない果物のような香りの吟醸酒であれば飲みやすく楽しめます。
日本酒が苦手な人の理由の1つに香りがあります。フルーティな香りであれば違和感も少なく感じますよ。
甘めの日本酒を、シャーベットのように凍らせてもおいしいです。
冷凍庫に入れてから1時間半ほどで、シャーベット状になってきます。
割れてしまう危険があるので、くれぐれも瓶のまま入れず容器に移すようにしてくださいね。
さらに軽い飲み口にするのであれば、炭酸水や水で割ることで飲みやすくなりますよ。
水で割ることで日本酒の風味を感じながらも、口当たりがやさしくなります。
日本酒:水=8:2で割るのがおすすめですよ。
冷酒におすすめの日本酒の種類は
吟醸酒、生酒、生貯蔵酒がおすすめです。
特に大吟醸酒は香りが華やかで、果物のようなフルーティーさがあります。
温度が低くければ、香りが落ち着いて飲みやすくなります。
冷やにおすすめの日本酒の種類
純米酒、吟醸酒がおすすめです。
冷やはいわゆる常温なので、温度を気にせず飲めます。
アウトドアの場面や冷蔵庫のスペースがないとき、買ってすぐに飲みたいときはこのタイプがいいですよ。
熱燗におすすめの日本酒の種類
純米酒、本醸造酒がおすすめです。
温めることで日本酒特有の香りが立つので、苦手な人には少しハードルが高いかもしれませんが、ちょっと憧れる飲み方です。
熱燗や冷や、冷酒には厳密な温度設定と細かい呼び名があった!
- 冷やは常温、熱燗は50℃前後、冷酒は5℃前後
- 下戸にも飲みやすいのは大吟醸の冷や
- シャーベット状にして楽しむのもいい
- 水で割るときは日本酒:水=8:2で
日本酒の温度設定と呼び名には、日本らしさの風情が感じられますよね。特に私は冷やより低い温度の呼び名にロマンを感じます。温度が高くなると「とびきり」といった人間臭さが出てくるのも面白いです。